子どもも大きくなってきたし、一緒についていくべきかな
転勤族にとって、子どもがいつまで転勤についていくべきか、悩みますよね。
この記事では、
- 実態調査に基づく、転勤族の子どもが転勤についていく割合
- 子どもが転勤についていくメリット・デメリット
- 子どもがいつまで転勤について行くべきか、判断する上で決め手となるポイント
- 実際に単身赴任と家族全員転勤の両方を経験した経験談
について解説します。
いつまで転勤先に子どもを一緒に連れて行くか悩んでいる方にとって、参考となる内容となっていますので、ぜひご覧ください。
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転勤族の子どもが転勤についていく家庭の割合は、子どもの成長とともに減少する
労働政策研究・研修機構による「企業の転勤の実態に関する調査(2017年10月)(PDF)」によると、
転勤のある家庭では、
- 未就学児の子どもがいる家庭の半数以上は転勤に子どもがついていく
- 子どもが小学校以上になると単身赴任が増える
というデータがあります。

つまり、多くの家庭では、子どもが大きくなるにつれて、単身赴任を選択するようになっていき、その割合は小学校入学を境に逆転します。
転勤族の子どもが転勤についていくメリット
転勤族の子どもが転勤についていくメリットは下記のとおり。
- 子どもが父親と離れなくて済む
- 順応性が身につく
- 日本各地で友達ができる
- さまざまな地域で暮らす経験を持てる
それぞれ解説していきます。
子どもが父親と離れなくて済む

子どもの成長にとって家族と過ごす時間はとても大切です。
家族が一緒に暮らすことで子どもの情緒も安定します。
特に幼少期は父親・母親との関わりが深い時期です。
ダイナミックに身体を使った遊びなどは、母親ではなかなか難しく、父親ならではの遊びが子どもは大好きです。
大きくなればキャッチボールなど父親とスポーツを楽しむこともできます。
順応性が身につく

住む場所が変わることで、学校など生活環境が変わることになります。
一からお友達を作り、そこでのルールに合わせて生活していく経験をすることで順応性が身につきます。
順応性を身につけることは大人になっても役立ちますし、子どもにとっての財産になるでしょう。
全国各地に友達ができる
引っ越しの度に新しいたくさんの出会いがあり、全国各地にお友達ができます。
旅行がてら長期休みに会いに行ったり、今の時代であればテレビ電話やSNSでも連絡がとれるので、離れても仲良しのお友達と繋がることができます。
全国各地にお友達ができることもまた、子どもにとっての財産となります。
さまざまな地域で暮らす経験を持てる
住む場所が変われば、気候や名産物、文化、環境など様々な点が異なります。
- その土地の美味しい物を食べたり、
- 気候によって自然の遊びを楽しんだり、
- 遠くて行くことが難しかった場所に遊びに行けるようになったり、
その土地に合わせて楽しむことができます。
都市部では生活の便利さを感じたり、地方では自然が溢れた景色を見たり、場所による違いを肌で感じることになります。
このような経験は、旅行だけでは十分に感じられないことがあります。
実際に住むことで様々な価値観に触れ、子どもが得るものはたくさんあるのではないでしょうか。
転勤族の子どもが転勤についていくデメリット
次に、転勤族の子どもが転勤についていくデメリットをまとめました。
- 転校後に馴染めないと苦労する
- 生活が安定しない
- 学習環境が変化する
- マイホームが買えない・住めない
それぞれ解説します。
転校後に馴染めないと苦労する

親にとっても、子どもにとっても、一番心配なのは転校だと思います。
人見知りな子どもや年齢が上がってからの場合、転校先でお友達がなかなかできず、苦労することがあるかもしれません。
メリットでも挙げたとおり、順応性が身につけばいいのですが、転勤が続いた結果、人に対して苦手意識が根付いてしまうと、逆に引っ込み思案になってしまうことがあります。
新しい場所にうまく馴染めなかった
↓
新しい場所に行くのが怖い
↓
引っ込み思案になる
↓
ますます馴染みにくくなる
このような悪循環もありえます。
子どもが新しい学校に馴染むのに苦労しているようであれば、転勤についていくべきか考え直した方が良いでしょう。
生活が安定しない
転勤族は、引っ越しのたびに環境がガラッと変わり、やっと慣れた頃にまた転勤・・・の繰り返しのため、生活がなかなか安定しません。
単身赴任なら夫だけ生活が変化するのですが、転勤に家族がついていくとなるとその負担は家族全体に及びます。
転勤にともなう家族の負担は、下記のようにたくさんあります。
- 新しい場所についてのリサーチ(スーパー、病院、学校、保育園、習い事)
- 妻の仕事の変更(在宅以外で働いている場合)
- 新たな人間間関係の構築
- 電気、ガス、水道などの契約のし直し
- 住所変更に伴う手続き
- 転居前後の挨拶・報告
- 職場・学校が変わることによる生活スタイルの見直し
- 家計の変化にともなう、家計の見直し
- 合わない家具を買い替えによる出費
転勤についていくメリットがデメリットを上回るのであれば、転勤に家族がついていくのではなく、夫が単身赴任する形を検討すべきです。
学習環境が異なる
小学生以降は転校先で教科書や進み具合が異なることがあるかもしれません。
特に子どもが私立に入った場合、カリキュラムが特殊だったりするので、途中での転校で学習していない内容が出てしまう可能性があります。
子どもが中学、高校と大きくなればなるほど、学習環境への影響は大きくなるでしょう。
特に、受験を意識する時期はなおさらです。
志望校を変えないといけないとなると負担が大きすぎるので、子どもの受験時期の転居は非常に難しくなるでしょう。
また、子どもが習い事や部活をしている場合にも影響があります。
特に、子どもが力を入れている習い事や部活がある場合は考慮すべきでしょう。
マイホームが買えない・住めない
転勤族はマイホームを買うタイミングが難しいです。
思い切ってどこかのタイミングでマイホームを買っても、また転勤になると住むことができなくなってしまいます。
マイホームを購入したいのであれば、子どもがある程度大きくなった時点で転勤についていくことをやめ、夫が単身赴任する形に変更するというのも手です。
転勤族のマイホームの購入については下記の記事でも解説しています。

転勤族の子どもがいつまでついていくか、判断の決め手となるもの
子どもが転勤にいつまでついていくか、判断の決め手となるのは下記の要素です。
- 子どもの年齢・性格・性別
- 子どもの進学のタイミング
- 転勤先の場所
- 転勤のサイクル
- 金銭的負担(出費・補助・手当の比較)
子どもの年齢・性格・性別
デメリットでも挙げましたが、子どもが転勤についていくことで一番不安なのは転校ではないでしょうか。
転校先で馴染めるかどうかは、子どもの性別・年齢・性格による部分も大きいのではないかと思います。
女の子は小学校中学年くらいから仲良しグループを作り始めるので、高学年で転校すると苦労するかもしれません。
低学年、中学年でも人見知りな性格であれば、考慮する必要があるでしょう。
男の子は高学年でも馴染みやすいようです。
実際に子どもの様子を見ながら、転勤にいつまでついていくべきか考慮する必要があります。
子どもの進学のタイミング
小学校・中学校入学のタイミングであれば、他の子達と同じスタートなので比較的不安も負担も少ないタイミングではないかと思います。
一方、中学・高校受験が控えているタイミングの場合、志望校を変更する必要がでてきてしまうため、単身赴任を選択するケースが多いでしょう。
- 子どもが中学校に入ってから転勤が決まったら、夫には単身赴任してもらう
- 子どもの受験が始まったら、今後も同じところに住む前提でライフプランを立てる
など、事前に決めておくと良いです。
転勤先の場所
転勤先の場所がどんな場所なのかを考慮する必要もあります。
考慮すべき要素は下記のとおり。
- 学校への通いやすさ
- 住環境、教育環境
- 国内か、海外か(言語)
- 祖父母が近い場合
都市部であれば、高校、大学と通いやすい範囲にあり、選択肢も豊富ですが、地方では場所によっては学力にあった学校が遠く、通学にかなり時間がかかってしまうということもあります。
海外転勤であれば、子どもにとってもいい経験になりますし、将来海外で活躍してほしい!と考えているようでしたらいい機会ですね。
また、子どもが小さい場合、祖父母の助けが必要な機会も多いかと思います。
転勤先が両親の実家の近くであれば、祖父母の助けを借りやすくなりますし、子どもに祖父母と触れ合える機会を増やしてあげることができます。
転勤のサイクル
夫の会社の転勤のサイクルも重要なポイントです。
数年で転勤なのか、それとももっと長いのか、次の転勤までの期間は会社や職種によって様々です。
場合によっては、転勤は基本的に一度だけで、元の場所に戻る予定の転勤もあります。
頻繁に引っ越し、転校を繰り返すのは親も子供も大変。
転勤のサイクルは判断の決め手のひとつでしょう。
金銭的負担(出費・補助・手当)

単身赴任するにしても、家族で転勤についていくにしても、それぞれ金銭的な負担があります。
家族で転勤についていく場合の出費は下記のとおり
- 保育園・学校用品の買い替え
- 転勤先の家に合わない家具の買い替え
- (賃貸の場合は)入居時の初期費用
- 子どもの習い事の入会金
引っ越し料金は全額負担してくれる会社が多いようですが、転勤手当の金額は会社によってまちまちです。
引っ越し以外にも家具を新しく購入したり、学校用品の買い替え、習い事に入り直すのであれば入会金や用具の購入など何かと出費が重なります。
一方、単身赴任する場合に増加する出費は下記のとおり
- 水道光熱費・通信費・家賃(2倍かかる)
- 家具・日用品(新たに買う必要あり)
- 食費(別々に用意する分、増える傾向あり)
単身赴任手当が出ると思いますが、金額は会社によって異なります。
単身赴任の場合、光熱費や家賃が2倍かかりますし、家具や日用品もそれぞれ購入する必要があります。
単身赴任にするか、家族で転勤するかを判断する上で、事前に下記について調べておくと良いです。
- 会社の転勤手当・単身赴任手当・家賃補助の金額
- 単身赴任した場合と、家族で転勤した場合で、出費と手当(補助)の変化を計算
今後のライフプランに合わせて、いつまで転勤についていくのか検討する上での判断材料の一つとなります。
転勤族の家賃補助については下記の記事でも解説しています。

転勤族の経験談!単身赴任と転勤の両方を経験して思うこと
実際に、単身赴任と転勤の両方のご経験があるYさんにお伺いしました。
(以下、Yさんの体験談です。)
家族で話し合い、上の子の卒園までの半年間、夫が単身赴任することにしました。
約半年という短い期間でしたが、週末に夫が帰ってきてまた日曜日の夜に転勤先に戻る時、上の子は毎回号泣し、本当にこちらまで胸が張り裂けそうでした。
(下の子はまだあまり意味がわかっていなかった様子)
ある時、上の子が夫にこんな手紙を書いていました。
3年間通った幼稚園の仲良しのお友達と離れ離れになってしまうことに対して、娘に申し訳ないなと思っていたのですが、新しい土地で前向きに家族で頑張ろうとしてくれている娘の気持ちを知り、子どもにとって今は家族みんなで暮らすことが大事なんだなと感じました。
そして、3月末に引っ越し、引っ越してからすぐ子ども達は小学校入学&幼稚園入園。
まだ荷物の整理もできておらず、住んでいる家と学校・幼稚園までの道しかほぼわからず、知り合いも1人もいない状態からのスタートでしたが、子ども達は逞しくあっという間にお友達を作り、新しい環境に馴染みました。
上の子は引っ込み思案なところがありましたが、新しい環境に飛び込んだことで自分に自信がついたようで様々なことに積極的に挑戦するように。
子どもが大きくなるにつれて、転勤に子どもをつれていくことに不安を感じていましたが、家族でいれば新しい環境も楽しむことができました。
次の転勤はいつになるかはわかりませんが、子ども達も「お父さんと一緒にいたい」と言っているので我が家では出来るだけ転勤にはついていく方針です。
ですが、上の子はもうすぐ高学年。
現在の居住地が高校や大学への通学にも便利な場所であることも考え、「お友達と離れたくない」と言われたら単身赴任を選択しようと夫とも話しています。
そして、転勤についていくとしても単身赴任になるとしても、家族みんなで力を合わせて乗り越えていこうと思っています。
結論!転勤族の子どもはいつまで転勤についていくべきか

転勤のサイクル、場所、補助などは会社や職種によって様々です。家族の構成、環境も家族によって様々です。
まずは、転勤についていくメリット、デメリット、判断の決め手となるものについて、自分達に当てはめて整理し、家族で何を優先するのかを話し合いましょう。
検討すべきことは下記のとおり。
- 子どもの様子(転校先に馴染めるかどうか)
- 家族全体の負担を比較(金銭面・精神面)
- 会社の補助(手当)について調べておく
- 家族全員の希望を聞いておき、話し合う
大人だけで勝手に決めるのではなく、子どもにも出来るだけ状況を説明し、子どもの気持ちも聞くことも大切です。
転勤先についていく、単身赴任どちらを選んでも大変だと感じることがあるかもしれませんが、家族で話し合った結論であれば、何か困難があっても家族で助け合い、乗り越えられるのではないでしょうか。
次の転勤はいつだろう・・・いつまで子どもをつれていけるのだろう・・・と未来を不安に思うのではなく、今を家族で楽しみ過ごしていきたいですね。
このブログでは転勤族に関するお悩みに答える情報発信をしています。
転勤族に関する記事はこちらからをみることができます。