転勤経験者から転勤のメリット・デメリットを聞きたい
転勤族の生活をイメージしてみて、入社してやっていけそうか判断したい
そんな疑問にお答えします!
転勤のある会社に内定が出た状況で気になるのは、転勤生活って実際どうなの?ということ。
今回は転勤3回を経験した自分の体験談も踏まえて、転勤のメリット・デメリットを解説していきます。
この記事を読めば転勤後の生活がイメージしやすくなるはずです。
転勤に関する不安・疑問が少しでも解消に役立てば幸いです。
好きなところから読める目次
転勤族のメリットは?
転勤のメリットは下記の5つ。
- 多様な職務経験で仕事の視野が広くなる
- 現場経験を積むための転勤は出世コースの場合も
- 全国各地で暮らせるメリット
- 人脈が広がる
- 転勤手当で家賃など居住費が会社負担になるメリット
転勤の考え方で、この5つの比重を多めにできれば楽しみを感じやすくなりますよ。
多様な職務経験で仕事の視野が広くなる
転勤して職場が変わると、次のようなことを経験します。
- 支所ごとで異なる独自の業務を学ぶ
- 地域風習・ユーザーごとに適した対応を知る
転勤でさまざまな支店・支所の仕事を経験すると、人間関係や業務内容、地域別の風習の違いによって幅広い対応力が磨かれます。
郷に入れば郷に従えを守るべき点もあれば、前の職場で便利だった方法を新しく取り入れて業務改善を図る柔軟な姿勢など、転勤族にしかない強みも生まれやすくなるのです。
現場経験を積むための転勤は出世コースの場合も
会社の方針上、出世を期待する社員を転勤させるところもあります。
さまざまな部署や支所、支店で現場経験を積ませて昇進のステップにするのです。
昇進すれば給与や待遇がアップする見込みがあるならば、転勤も前向きに考えるきっかけになるでしょう。
全国各地で暮らせる
全国各地を長期ステイ感覚で楽しめるのは、転勤族の大きなメリットです。
すると、テレビで観たことしかなかった「嚴島神社」や「原爆ドーム」、「広島城」や「大和ミュージアム」へ気軽に足を運べました。
車で2時間ほどの距離に島根県出雲市の「出雲大社」もあり、その土地の観光スポットやグルメを毎週末のように楽しめました。
人生一度きり、さまざまな土地で新しい発見や出会い、感動を得られるのは子どもたちにとっても貴重な経験となっています。
このように「長期ステイ感覚」で、全国各地で楽しむチャンスだ!と思えるなら転勤先の暮らしもワクワクしますよ。
人脈が広がる
転勤先で職場関係の知り合い、ご近所さんの付き合い、子ども関連の交流など新たな人脈を作る機会が増えます。
その土地ならではの話を聞けたり、同じ趣味趣向の人と巡り会うチャンスも生まれるので、刺激的な日々、退屈しない毎日が送れます。
我が家の場合、以前住んでいた場所で家族ぐるみの付き合いだった方と、今でも交流があります。
お歳暮やお中元で美味しいものを送りあったり、少し距離があるからこそ話せるものもあったりして、嬉しい交流です。
子どもたちもお友達と定期的にお手紙を送りあったりと貴重な経験の機会が生まれているので、新たな人脈の広がりで得られるものは小さくありません。
転勤手当で家賃など居住費が会社負担になるメリット
転勤手当を設けている会社なら、転勤の出費や住居費を削減できる可能性があります。
- 引っ越し費用を負担してくれる会社
- 家賃補助がつく会社
- 転勤手当でカバーしてくれる会社
など、会社によって条件や内容は異なるものの、会社が大幅に負担してくれるようであれば家計的にも嬉しいですよね。
会社が転勤手当を支給したり、引っ越し費用を負担するケースについて詳しい内容はこちらの記事でもまとめているのでチェックしてみてください。
転勤族のデメリットは?
デメリットが大きければ転勤を回避すべきケースもありますし、デメリットの対策を講じることでメリットの割合を増やせるかもしれません。
転勤族のデメリットは下記の8つ。
- ゼロから人間関係を築く大変さ
- 新しい業務なら慣れるまで大変
- 配偶者や子供への負担がある
- 引っ越しのコストが自腹だと金銭的負担が大きい
- マイホームをなかなか購入できない
- 距離によって帰省にコストがかかることも
- 結婚に踏み切れない可能性
- 単身赴任で居住費や生活費が増える可能性も
転勤族のデメリットも確認して判断材料にしましょう。
ゼロから人間関係を築く大変さ
転勤で引っ越した先、また新たな人間関係を築かなければならないことにストレスを感じる方もいらっしゃるでしょう。
転勤を重ねて強くなり”いい意味”で図太くなれる人もいますが、慣れるまでは大変です。
人付き合いが苦手だと自覚がある方は、なおさら負担が大きいと思います。
ゼロから人間関係を築くコツとして私が活用しているのは、「引っ越してきたばかりなので右も左も分かりません!どうぞご教授ください!」と開き直ることです。
新たな土地・環境でママ友の交流やご近所のお付き合いだと、この言葉をきっかけに話しかけてもらえたりいろいろと教えていただける機会が生まれやすくなりました。
新しい業務なら慣れるまで大変
転勤先の支所・支店で新しい業務を任されることもあるかもしれません。
すると、慣れない土地での生活に加えて新しい業務を覚えて慣れなければならない、という負担が発生します。
このダブルは心の余裕が削られてしまうので、休日の息抜きや家族とゆっくり過ごす時間など、意識的な休息が重要です。
配偶者や子供への負担がある
- 夫の転勤で妻が転職しなければならない
- 子どもが転校しなければならない
など、家族にとっても大きな環境の変化があるので慎重になるのは当然です。
転勤による配偶者や子どもへの負担が大きな課題となっているなら、こちらの記事でも詳しく解説していますのでぜひ読んでみてください。
妻の転職で悩んでいる方 → 「転勤族の妻の仕事はどうすればよい?【解決策はあります】」
子どもの転校で不安がある方 → 「転勤族の子どもはいつまで転勤についていく?考慮すべきポイントは」
引っ越しのコストが自腹だと金銭的負担が大きい
転勤手当や引っ越し費用補助を設けている会社もあれば、補助額が少ないor実費となる会社もあります。
補助額の少なさ、全額実費となってでも転勤・引っ越しするメリットがあるのか考えてしまいますし、納得いかない部分も出てくると思います。
引っ越しのコストが自腹だと家計に大打撃ですよね。
また、引っ越しにあたって住民票の移動や転校の手続き、免許証やクレジットカードの住所変更など手続きも多く発生します。
新居を探して、引っ越し業者を選んで荷物をまとめて新居で荷物をほどいて…と手間もかかります。
転勤のメリットや給与など、比較してプラスになるかどうか検討しましょう。
マイホームをなかなか購入できない
転勤がネックになってマイホーム購入を悩んでしまうご家庭もあります。
家族構成やコストの面で単身赴任が厳しいと、家族で引っ越すことになるのでマイホームは憧れのまま。
転勤先でも家族一緒に暮らすことが大切だという考えなら、マイホームは持たずライフスタイルに合わせた家を借りるのがベストです。
マイホームの優先順位が高ければ転職を選ぶのがいいかもしれません。
距離によって帰省にコストがかかることも
転勤になって実家から距離が離れれば離れるほど、帰省コストも高くなります。
例えば我が家の場合、1度目の転勤は地元・鹿児島から福岡への転勤でした。
年末年始など自家用車で帰省していたので、高速料金とガソリン代で片道の帰省コストは2万円ほど、片道でかかる時間も4時間ほどでした。
2度目の転勤で広島に引っ越した時は、片道の帰省コストがおよそ2倍の4万円になり、規制にかかる時間も倍の8時間になりました。
帰省費用の貯蓄や帰省計画も大変なのは、転勤族のデメリットです。
結婚に踏み切れない可能性
いつ転勤になるか分からない会社や職業だと、ここまでご紹介したデメリットが不安要素になって結婚に踏み切れない可能性も出てきます。
お付き合いしている人が地元を離れたくないと言えば、転勤がきっかけでお付き合い自体が難しくなるかもしれません。
人見知りなタイプで転勤による人付き合いが大きなストレスとなる可能性があれば、やはり「結婚して転勤先に付いてきてほしい」とは言いにくいでしょう。
自分だけでなく恋人にとっても大きな決断になるので、なぁなぁで済ませず細かなところまできっちり話し合う必要があります。
単身赴任で居住費や生活費が増える可能性も
家族は家に残ったまま配偶者だけが単身赴任で引っ越す場合、家賃や日用品や光熱費など、生活費が増える可能性があるのは家計にも打撃ですよね。
車のガソリン代やシーズン毎の冷房代、暖房費など転勤手当では賄えない出費が出てくる可能性もあります。
単身赴任のケースも収支を細かく分析する必要があるのです。
転勤に向いている人・向いていない人はこんな人
メリット・デメリットを踏まえて転勤に向いている人・向いていない人を分けてみると次のようになります。
転勤に向いている人
- 人付き合いが苦にならないタイプ
- 旅行が好き、あちこち行ってみたいと思っている人
- 手間や手続きを淡々と処理できる人
- デメリットから対策を練って解消できる人
転勤族のメリットを存分に楽しめる人や、デメリットの対策・解決策をたてて実践できる状況なら転勤族としての生活もさほど苦に感じないでしょう。
転勤に向いていない人
- 人付き合いが苦手なタイプ
- あちこち引っ越すより一箇所にとどまりたいと思う人
- 配偶者の転職が仕事上、難しい人
- 引っ越しの手続きや手間が大きなストレスな人
- 持病や健康面で不安が大きい人
- メリットよりデメリットの負担が大きい
メリットよりデメリットの割合が大きく、対策や解決策が不十分で生活や精神面で大きな影響があるなら、転勤には不向きといえます。
転勤したくない場合の解決策
家族の状況や健康上の問題、費用や条件で「転勤のデメリットの方が大きい」と判断した場合、転勤しない方法や解決策が気になりますよね。
ここであげる解決策は2つです。
- 転職する
- 転勤免除配慮を申し出る
転職する
今後も転勤の打診がくる可能性が高い職場・会社で働き続けるのか。
転勤がなく安定して働ける会社の求人を探すのか。
どちらも大きな決断ですが、転勤を断れない状況や会社の雰囲気、意向に添えないなら転職も視野に入れるべきでしょう。
例えば、家族の健康上の問題で転勤は難しいのに断れず、単身赴任して残された家族全員が辛い思いをするようなことになれば勤め続ける理由も揺らぎませんか?
万が一、転勤の打診を断れる状況であっても、他の社員が転勤することになれば負い目や申し訳なさ、罪悪感といった負の感情を抱えて働きつづけるかもしれません。
コロナの影響で転職のハードルが高いと感じるかもしれませんが、転勤が自身や家族にとって大きすぎる負担となるならば、転職も1つの方向性としてリサーチすべきでしょう。
転勤免除配慮を申し出る
どうしても転勤が難しい、でも転職ではなく今の職場で働き続けたい。
そのような状況で悩み続けるのは精神的にも辛いので、転勤免除配慮を会社へ申し出るのも解決策に繋がる可能性があります。
- 子供が生まれたばかりで転勤対応が厳しい
- 家族の健康上の問題で転勤が難しい
- 転勤や引っ越しで発生する費用を用立てできない
など、会社に理由と詳細を伝えると転勤への配慮を得られるかもしれません。
実際に転勤免除配慮を申し出た経験者のアンケートで、次のような結果が出ています。
30.6% → 配慮はなく転勤した
29.0% → 転勤対象から外された
22.4% → 転勤時期をずらすなど配慮してくれた
状況別では、子供がいる人の方が配慮されるという結果が出ています。
転勤免除配慮の申し出は、今の職場で働き続けるためにも会社へ伝えておくべきでしょう。
転勤のメリット・デメリットを熟知した上で転勤族になるか決めよう
初めての転勤の打診、初めての転勤、2回目の転勤と慣れないうちは不安も大きく大変な作業の連続だと感じるかたが多いと思います。
ただ、私や転勤族妻としていい意味で図太くなった人たちに共通するのは
いい物件をいち早く抑えるための情報戦だと燃える
転勤先でどんな美味しいものがあるのかリサーチする
観光地に行けるか早くも計画を立てる
といった、転勤のメリットを謳歌しているところでしょう。
転勤によるデメリットで解決策が立たない、負担が大きすぎて家族にとって辛い選択になるケースもあると思います。
この記事を踏まえ、自分にとっての転勤のメリットとデメリットを細かな点まで一度ノートに書き出して、よく検討することをおすすめします。
デメリットが多いなら転勤免除配慮の申し出、または転職を考えましょう。